網入りガラスの錆割れ(さび割れ)|下の端からヒビが入る理由と交換の選び方

網入りガラスの下の端から入るヒビは、中の網のさびが原因のことがあります。しくみと防ぎ方、交換のときのガラスの選び方をまとめました。

ひとことで言うと

さび割れは、網入りガラスの切り口に出ている鉄の網が、水でさびてふくらみ、ガラスの端を傷めて割れる現象です。窓の下の辺に水をためないことと、交換のときの切り口のさび止めが予防になります。

網入りガラスの窓で、下のほうの端からヒビが入っている。よく見ると、ヒビのあたりの網が茶色くなっている。こうした割れ方は「さび割れ」かもしれません。

網入りガラスは、火事のときに割れても破片が落ちにくいように、ガラスの中に金属の網を入れたガラスです。防火の決まりがある窓で広く使われていて、マンションやアパートのベランダの窓、勝手口、手すりなどでよく見かけます。このページでは、ガラスメーカーAGCの解説をもとに、さび割れのしくみと防ぎ方、交換のときの選び方をまとめます。

網入りガラスの網は、鉄でできている

AGCの解説によると、網入りガラスの網は厚さ0.5mmほどの軟鋼(やわらかい鉄)で、めっきがしてあります。ただ、ガラスを窓の大きさに切ると、切り口には網の断面がむき出しになります。めっきで守られていないこの断面が、さびの出発点になります。

網入りガラスを切る作業の動画を見ると、よく分かります。ガラスの表面に線を入れて折ったあと、中の網を工具で1本ずつ切り離しています。窓に入っている網入りガラスの端には、こうして切った網の断面が並んでいます。

網入りガラスのカット(約9分)

さび割れのしくみ

鉄は、水を介して酸素と結びつくと、さびになります。さびは、さびる前の鉄より体積が大きくなります。ガラスの中に閉じ込められた網の断面がさびてふくらむと、まわりのガラスを押し広げ、端に細かなひび(クラック)ができます。

こうして端が弱くなったガラスは、少しの力や温度の変化でも割れやすくなります。AGCの解説でも、さびによる損傷が熱割れなどの原因になると説明されています。

割れた網入りガラスの上から板とテープで仮にふさがれた勝手口の扉
割れてから時間がたち、中の網がさびていた勝手口の網入りガラス。破片を取り除きながらの交換になりました(この施工事例)

なぜ下の辺から割れるのか

窓の下の辺には、雨や結露の水がたまりやすくなります。AGCの解説では、グレイジングチャンネル(ガラスのまわりにはめるゴムの部材)で納めた窓の下の部分は、雨や結露水がガラスの端に入り込みやすいと説明されています。

そのため、さび割れは次のような所で多く見られます。

  • 窓の下の辺のまわり
  • 外に面していて雨が当たる窓
  • 冬に結露が多い窓
  • ベランダの手すりに使われている網入りガラス

ガラスのまわりの部材については、ガラス辞典のグレイジングチャンネルとグレイジングビードで説明しています。

熱割れとの違い

網入りガラスは、もともと端の強さが弱いガラスです。一般社団法人 板硝子協会の資料では、熱割れへの強さ(許容応力)は網入りガラスが9.8 MPaで、普通の板ガラスの17.7 MPaより低くなっています。

さびで端が弱くなると、日差しによる温度差でも割れやすくなります。つまり、さび割れと熱割れは別々に起きるというより、重なって起きることがよくあります。ヒビのまわりの網が茶色くなっていれば、さびが関わっていると考えられます。熱割れについては熱割れの原因と防ぎ方をご覧ください。

見分けるポイント

  • 網入りガラス(または線入りガラス)で起きている
  • ヒビが、ガラスの端(特に下の辺のあたり)から入っている
  • ヒビの近くの網や、ガラスの端のあたりが茶色くなっている
  • 物が当たった覚えがなく、音もしなかった

網入りガラスは割れても網で破片がつながっているため、すぐには落ちてきません。ヒビの入った網入りガラスがどれくらい持ちこたえるかは、代表の髙木が動画で確かめています。

ヒビの入った網入りガラスの強さを確かめる(約4分)

すぐに落ちてこないぶん、ヒビに気づいてもそのままにされがちです。けれども、ヒビから水が入ると、さびはさらに進みます。

ベランダの手すりにはめ込まれた網入りガラス
外に面した手すりの網入りガラスは、雨が当たるため、さび割れや熱割れが起きやすい場所です(この施工事例)

さび割れを防ぐには

AGCの解説では、予防として次のことが挙げられています。

  • ガラスの切り口に、さび止めの材料を塗る
  • サッシの中を乾いた状態に保つ
  • ブチルゴム系のテープを貼り、まわりをシーリング材でふさぐ

暮らしの中でできるのは、窓の下の辺やレールにたまった結露や雨水を、こまめにふき取ることです。サッシの水抜きの穴がつまっていないかも、ときどき確かめてください。

網をステンレスにする研究も進められていますが、作り方や切り方の難しさから、まだ一般的にはなっていないそうです。

交換するときの選び方

さび割れした網入りガラスは、交換するしかありません。交換のときは、次の点を確かめて選びます。

  • 防火の決まりがある窓か ― 決まりがある窓では、決められた種類のガラスしか使えません。多くは網入りガラスに戻しますが、窓によっては網の入っていない耐熱強化ガラスを選べる場合もあります
  • 切り口のさび止め ― 網入りガラスに戻すときは、切り口にさび止めをしてから入れます
  • 見た目 ― 透明、くもり(かすみ)、網の形(ひし形・格子)などを、まわりの窓とそろえます

どのガラスが使えるかは、建物や窓の場所で変わります。現地で確認してご説明します。網入りガラスの項目もあわせてご覧ください。

よくあるご質問

網入りガラスは、ほかのガラスより割れやすいのですか

網は、火事のときに破片が落ちにくくするためのもので、ガラスを割れにくくするためのものではありません。そのうえ端の強さが弱いため、熱割れやさび割れは起きやすいガラスです。割れにくさを求めるなら、合わせガラスや強化ガラスなどを検討します。

ヒビが入っていても、網があるので落ちませんか

すぐには落ちにくいガラスですが、さびが進むとガラスは弱くなっていきます。窓の開け閉めや強い風で、ヒビが広がることもあります。早めに交換してください。

賃貸の部屋でさび割れしていました

先に管理会社さんか大家さんに連絡してください。さび割れは、住んでいる方の使い方とは関係なく起きることが多い割れ方です。ヒビとさびの様子を写真に撮っておくと、話が早く進みます。

ガラスマート!では、お住まいの近くの現地対応のガラスマートスタッフがうかがいます。網入りガラスのヒビの写真をLINEで送っていただければ、さび割れかどうかの見当と、交換の進め方をご案内します。何もしていないのに割れたときの見分け方もあわせてご覧ください。

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