熱割れの見分け方|ヒビの形でわかる原因と、窓ぎわでできる防ぎ方
音もなく端からヒビが入るのは、熱割れかもしれません。板硝子協会の資料をもとに、しくみ、ヒビの形の読み方、窓ぎわでできる防ぎ方を解説します。
熱割れは、ガラスの真ん中と端の温度差で割れる現象です。窓ぎわに家具やカーテン、段ボールなどを密着させないことが、いちばん手軽な予防になります。
日の当たる窓に、ある日ふとヒビが入っている。物も当たっていないし、音もしなかった。こうしたときに多いのが「熱割れ」です。
熱割れは、ガラスそのものの不良ではなく、日差しとガラスの温度の関係で起きる現象です。このページでは、一般社団法人 板硝子協会の技術資料(「熱割れ」2026年1月版)をもとに、熱割れのしくみと見分け方、暮らしの中でできる防ぎ方をまとめます。
熱割れのしくみ
ガラスは日差しを受けると温度が上がります。けれども、サッシの枠の中に入っている端の部分は、影になって冷たいままです。1枚のガラスの中に「温かい真ん中」と「冷たい端」ができ、この温度差が大きくなりすぎると、ガラスの端に強い引っぱる力がかかって割れます。
割れ始めるのは、サッシに隠れた端の部分です。外からは見えない所から割れるので、ヒビは枠の中から伸びてきたように見えます。
熱割れは「いつの間にか」割れている
板硝子協会の資料には、熱割れは突然「パリン!」と音がして割れるわけではなく、気づかないうちに割れていることがほとんどだと書かれています。
物が当たったときや、地震で家具がぶつかったときは、大きな音がするのが一般的です。「音はしなかったのに割れていた」という場合は、熱割れを疑ってみてください。

ヒビの形で分かること
熱割れのヒビは、サッシの中の端から、ガラス面に対してまっすぐに伸び、そのあと曲がったり、何本かに枝分かれしたりします。板硝子協会の資料では、形によって次のように読み取れると説明されています。
- まっすぐ1本だけのヒビ ― 比較的弱い力で割れたと考えられます。網入りガラスのように熱割れに弱いガラスや、端が何かの原因で弱くなっていたガラスに多い割れ方です
- 放射状に枝分かれしたヒビ ― ガラスが耐えられる力を大きく超えたときの割れ方です。ただ日が当たっただけでは、こうはなりません。ガラスの室内側に家具やソファ、クッション、枕、段ボール箱などが密着していた場合に起きることがあります
熱割れしやすいガラス、しにくいガラス
ガラスの種類によって、熱割れへの強さ(許容応力)が違います。板硝子協会の資料の値は次のとおりです。
| ガラスの種類 | 熱割れへの強さ | 許容応力 |
|---|---|---|
| 網入りガラス | 弱い | 9.8 MPa |
| フロートガラス(Low-Eガラスを含む) | 中くらい | 17.7 MPa |
| 倍強度ガラス | 強い | 35.3 MPa |
| 強化ガラス・耐熱強化ガラス | 強い | 79.4 MPa |
網入りガラスは、端の強さが弱いため熱割れを起こしやすいガラスです。網の切り口がさびると、さらに弱くなります(さび割れ)。
断熱性の高いガラスほど、実は熱割れに注意が要る
意外に思われるかもしれませんが、断熱性の高いガラスほど熱割れには気をつける必要があります。Low-E複層ガラスのように熱を伝えにくいガラスは、日差しを受けたときにガラスの温度が上がりやすく、枠の中の冷たい部分との差が大きくなるからです。
板硝子協会の資料に載っている計算例でも、同じ条件でくらべると、Low-E複層ガラスは1枚の板ガラスより、ガラスの温度差も割ろうとする力も数倍大きくなっています。そのため建物を設計する段階では、ガラスメーカーの計算ツールで熱割れの心配がないかを確かめることになっています。窓をペアガラスやLow-Eガラスに替えるときも、窓の向きや日当たりを見て、ガラスの組み合わせを選びます。
暮らしの中で防げること
板硝子協会の資料では、次のようなことが熱割れを起こしやすくすると挙げられています。
- ベッドや布団、毛布、枕などをガラスに密着させて置く
- たんす、ソファ、ロッカーなどの家具をガラスに密着させて置く
- 洗濯物などの衣類をガラスに密着させる
- 段ボール箱などをガラスに密着させて置く
- ガラスにポスターを貼ったり、ペンキなどで塗ったりする
- 暖房の吹き出し口が、ガラスに直接向いている
つまり、ガラスの一部だけに熱がこもったり、一部だけが温められたりする状態を作らないことが大切です。窓ぎわに物を置くときは、ガラスから少し離してください。
ガラスマート!の施工事例にも、窓のすぐ内側に棚や箱が置かれていた窓の熱割れがあります(この施工事例)。
窓に貼るフィルムと熱割れ
板硝子協会の資料には、ポスターを貼ることや塗ることも熱割れの要因として挙げられています。日差しを吸収するタイプのフィルムを貼ると、ガラスの温度が上がって熱割れの心配が増えることがあります。特に網入りガラスや複層ガラスにフィルムを貼るときは、ガラスとの相性を確かめてから選んでください。ガラスフィルムの項目でも説明しています。
熱割れしていたら
- ヒビの入った窓は開け閉めを控え、近づかないようにします
- ヒビの全体と、ヒビが始まっている端のあたりを写真に撮ります
- 窓ぎわに密着している家具などがあれば、ガラスから離します
- ガラスの交換を依頼します
網入りガラスの熱割れなら、慌てなくても大丈夫です。代表の髙木が、実際に熱割れした網入りガラスを使って、ヒビを触ったり、ハンマーでたたいたりして強さを確かめています。
動画の結論は3つです。網でつながっているので、すぐに割れ落ちることはない。ヒビが伸びることはあっても、別の所に新しいヒビができるわけではない。だから焦らず、都合のよい時期に交換を頼めばよい。とはいえ、ヒビから水が入ると網がさびてガラスは弱くなります。板硝子協会の資料でも、割れを見つけたらガラス店などに相談して交換することが勧められています。そのままにせず、早めに段取りをつけてください。
交換するときは、原因に合わせて選び直す
同じ窓で熱割れを繰り返しているなら、まず窓ぎわの物の置き方を見直します。そのうえで、ガラスを選び直すこともできます。防火の決まりがある窓でも、網入りガラスの代わりに、熱割れに強い耐熱強化ガラスを選べる場合があります。どのガラスが使えるかは、窓の場所や建物の決まりで変わりますので、現地で確認してご説明します。
よくあるご質問
熱割れは、ガラスの不良ですか
北向きの窓でも熱割れしますか
網入りガラスの熱割れは、すぐに落ちてきますか
ガラスマート!では、お住まいの近くの現地対応のガラスマートスタッフがうかがいます。ヒビの写真をLINEで送っていただければ、熱割れかどうかの見当と、交換するガラスの種類をご案内します。何もしていないのに割れたときの見分け方もあわせてご覧ください。
